今だから話せますが、仕事に戻りたくなくて、逃げたことがあります。
5年おきに転職してたし、挙句の果てにはセミリタイアしたくらいだから、
そもそも、仕事から逃げがちな性格なんだけれども、
この時は、文字通り、物理的に、その場から逃走しました。
新幹線で、しかも部下から。
それはコロナ前のある日、取引先と打ち合わせの後、自分のオフィスに戻ろうとしてい時のこと。
先方が、かなり厳しい方で、げっそり疲れていました。
さらに憂鬱なことには、帰社した後、苦手な部下との面談が待っていた。
そりゃ、部下の中には、苦手な人だっていますよ。
管理職だって、人間だもの。
それは、相手がお客さまだろうが、上司だろうが、同じなんだけど、
一つ違うのは、対象が部下の場合は、「あの人、苦手」とは、口に出せないこかなと。
私の発言が、どこかから伝わったら、パワハラになるし、
それに、それを言ったら、上司としておしまいだと、分かってたから。
上手くいってないチームメンバーがいるなら、話し合いやコーチングなどして、
対応するのが、管理職の役割だもんね。
それはじゅうぶん分かってました。
One on oneを頻繁にやったり、傾聴したり、私なりに努力した。
でもね、一生懸命、関係改善を図っても、
時には、どうしても上手くいかない相手って、いるものです。
こんな記事を書いたこともあるけど、今日の話は、もっと昔の出来事。
▷ 過去記事:管理職だって人間だよー傷ついたので「傷ついた」と伝えた日
当時は、その部下さんだけじゃなくて、冒頭の厳しいお客さまなど、
辛いことが続いてて、胃が痛くて、不眠で、メンタルがやられ気味でした。
そしてその日は、難しいお客さまと、苦手な部下と、Wで憂鬱なアポがあったわけです。
取引先に、さんざん理不尽なこと言われた後なのに、
会社に帰ったら、あの部下さんに、感情的にまくしたてられるのか・・・。
そう思ったら、頭の中に、避難警報が鳴りました。
偶然にも、そこは東京駅。
あそこを曲がれば、東北新幹線の乗り換え口がある。
「あれに、乗っちまえ!」
で、気がついたら、東北新幹線の座席に座っていて、
「急な体調不良で、早退します。今日この後の予定は、全部リスケして」
と、会社にメールしてたのでした。
発作的に、東北新幹線に飛び乗ったはいいけど、行くあてなど無い。
はぁ、バカなことをしたもんだ。
仕方ないので、宇都宮で降りてみることにしました。
仙台まで一気に行くやつじゃなくて、よかったよ。
宇都宮で降りたとて、有名な「餃子像」とご対面した後は、もうやる事がない。
・・・何やってんだろ、私。
・・・って思ってたの、その時までは。
だけど、その後、奇跡が起きました。
駅前から、あてどなく歩いてたら、商店街にたどり着きました。
カフェや、飲み屋さんが並んでるけど、平日の午後なので、人の姿はほとんどない。
すると、ドアを開けて開店準備をしてたお店から、音楽が聞こえてきた。
あれ?
あの曲は!奥田民生の『コーヒー』だ!!
♪ 休みが必要だ
みんなもそう言ってる
そこにはいい事があるはずと言ってる
たぶんそうだろうと言ってる
そうだっ、そうだよ!休みが必要だったんだよ!
普段はスピリチュアルを信じないけど、この時ばかりは、神のお告げだと思ったね。
「ジャスミンよ、ちとテンパリ過ぎではないか?
ストレスから距離を置いて、頭を冷やしなさい」
とかなんとか、神さまが伝えたくて、私を東北新幹線に乗っけてくれたんだ。
ご都合主義な解釈と言われるかもしれないけど、
とにかく私は、そこで奇跡的に立ち直った。
駅前の有名店で、とりあえず餃子を一皿食べて、東京に戻り、
翌日、何ごともなかったかのように、くだんの部下さんと面談した。
「昨日はごめんね〜」と明るく謝れたのも、私なりに納得いく話ができたのも、
あの時、新幹線で逃げたから。
もしも、あのまま帰社して、ひどい精神状態のまま、部下と対峙してたら?
間違いなく、大惨事になっていたでしょう。
・・・というわけで、特別お題「今だから話せること」でした。
その後、その部下さんはどうなったかって?
一年後くらいに辞めていきましたし、さらに私も、その会社を辞めました。
外資は、みんなすぐに転職するから、苦手な人がいても、自分か相手か、そのうちどちらかがいなくなるのよね。
▷ 関連記事:私が職場の人間関係で苦労しない理由(1)ー年収やキャリアアップ以外の転職のメリット
外資だったら、クビにできるんじゃないの?と思われた方もいらっしゃるかも。
確かに、退職勧奨も可能ですが、そう簡単ではないです。
粘る人は粘りますし、その間、上司である自分も、相当消耗します。
▷ 関連記事:【究極の選択①】仕事できない良い人 vs. 仕事できる嫌な人、一緒に働くならどっち?
なので、発作的とはいえ、仕事から逃げて、頭を冷やした後、
余裕を持って対応したのは、なかなか良い解決方法だったな。(自己正当化)。
今にして思えば、もっと逃げて(休んで)おけばよかった。
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まぁ、私はその後、管理職からも、会社からも逃げて、結局セミリタイアしちゃったわけですが、
また働いてみよう、って思えたのも、半年以上仕事から逃げられたからかもです。
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