もうすぐ退職するので、少しずつ引き継ぎを始めています。
後任はまだ来ないので、引き継ぐ相手は今の部下さんたち。
「部長の仕事なんてやりたくありません!僕たちそんなお給料もらってません!」
・・と拒否されるかと思いきや・・
みんな快く引き受けてくれて本当に感謝です。
しかも、ただ一時的に引き受けるだけでなく、良いアイディアまで出してくれる。
私なんかよりずっと上手に、この職務をやれそう。
もっと早く、みんなにお願いすればよかった。
私は昔から、人に頼むことが苦手です。
断られたら傷つく、とか、自分でやった方が早い、と言い訳して、自分で抱えてしまう。
自分でやった方が早い病 (星海社 e-SHINSHO)っていう本を読んでみたこともあったけど・・・
「プレイングマネージャー」と言えば聞こえはいい。
だけど、どこかで人を信じてなかったから、任せられなかったのかも知れません。
管理職人生の最後に、こんなことに気づくなんて・・。
部下を信じてない上司なんてサイテーだよね、自己嫌悪。
もっとチームを信じていれば・・・。
もっとみんなに任せていれば、「管理職辞めたい!」なんて思わなかったのかもな。
人に任せられないことを含めて、私は管理職として実力不足でした。
一つだけ言い訳させていただけば、
小さな会社では管理職もバリバリ手を動かせないと回らないし、
そういう管理職人材が求められてるってことはあると思います。
さて、そんな素敵な部下さん達の中でも、とりわけ人望が厚い人がいます。
上司も、本社の役員も、そして私自身も、「後任にはぜひ彼女を!」と熱望したのですが・・。
ご本人から「管理職になるのは絶対イヤ!出世なんてしたくありません」と辞退されてしまった。
私や、彼女の前職の上司たちを見ていて、こう感じるそうです。
- 役職が上がるほど、本業以外の仕事が増え、専門性から遠ざかる
- 本業のスキルがあっても、ピープルマネジメントのスキルがあるとは限らない
さすが、ご推察の通りです。
管理職を辞めたい私は、これに反論する言葉を持ちません。
「年収が一気にアップするよ」とか、
「ジョブサイズが大きくなればやりがいもあるよ」とか、
管理職になるメリットを伝えたけど、「今のままで十分幸せです」と言われてしまった。
というわけで、内部人材のプロモーションは諦め、外部から後任を採用することになったんです。
それにしても・・
「とにかく管理職を辞めたい!」という私のような人、
「管理職なんてやりたくない」彼女のような人、
そんな人ばかりになったら、今みたいな組織はどうなるんでしょうね?
世界の優秀な、組織デザイン研究者のみなさん、ぜひ新しい形態を考えてください。
管理職の抱えるジレンマは、かなり限界に来てる気がします。