わたしは、たしかにあなたを失いました。
でも、最初からあなたがいなかったことに比べたら、
わたしはずっと幸福です
これは、少し前に読んだ、「銀河英雄伝説」という小説に出てきたセリフ。
また一年が終わろうとしてる今日、ふと、思い出しました。
愛する人に向けた言葉だけど、これは、すべての人や、機会に通じると思った。
会えなく、または会わなくなってしまった人
大切にしてたのに、失くしてしまった物
もう触らなくなってしまった、趣味の道具
旅先で、一瞬だけ見えた景色
人は、誰かと永遠に一緒に居ることも、何かをずっと所有することできないけど、
だからって、初めから出会わなければ良かった、なんて思えない。
短い間でも、ともに過ごした時間は、幸福でした。
たとえその間に、辛いことがあったとしても、です。
あ、これ、別に、今年辞めた、会社員生活に向けた言葉じゃないですよ(笑)。
なんせ、ノイローゼになりそうなくらい、辞めたかったんだから。
・・・だけどね。
仕事なんて、初めからしなければよかった、とは、思わないかな。
仕事を通じて、たくさんの友達ができたし、
ダメダメ人間だけど、ちょっぴり成長させてくれたのは、やはり仕事だし。
何より、仕事は、自分に幸福を感じる力をつけてくれました。
大晦日に、こんなセンチメンタルな文章を書いてるのは、
やっぱり今年、セミリタイアという、人生の節目があったからかなぁ。
去年との落差よ。
▷ 過去記事:辛い年末仕事はこれで最後なのにあんまり喜べてない
ところで、銀河英雄伝説です。
無職で暇になるので、おすすめの長編小説を聞いて回ったところ、
同僚たちから、推薦が多かったのが、「銀英伝」でした。
普段は、読まないジャンルだったので、「銀河?英雄?私に合うかなぁ・・?」
と心配でしたが、とても面白かったです。
銀河の覇権をめぐるお話なんだけど、なんかね、あんまり宇宙っぽくなかった。
天才が善政を行う独裁と、腐敗した民主主義、どちらを選ぶか?
ということを、読んでる間、ずっと考えさせられた。
特に今年は、ウクライナで戦争が進行中。
年末には、日本でも、軍事増強のための増税なんて、話も飛び出した。
自国の政治体制が民主主義だからって、安心して、政治に無関心でいてはいけない、
そう警告するこの小説が、より心に刺さりました。
そして冒頭のような、一生忘れなさそうな名言にも出会えた。
好きなので、もういちど引用。
わたしは、たしかにあなたを失いました。
でも、最初からあなたがいなかったことに比べたら、
わたしはずっと幸福です
人間を描くと、舞台が宇宙でもどこでも、本質的には変わらないのかもしれません。
ーーー
私は来年も、多くの人や機会に出会い、きっと失敗して、いろんなことを失うでしょう。
しかしそれでも、「出会って良かった」と言える一年にしたいと思います。
みなさまには今年、どんな出会いや別れがありましたか?
お忙しい中、このブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
どちらさまも、どうぞ良いお年をお迎えください。
● 来年、失敗しても大丈夫。失敗は私の権利だから ●
皆さんは、どんな大晦日を過ごしてるかな?