管理職も会社も辞めました日記

管理職を辞めたいけど、今後の生活が心配・・。そんな気持ちを綴るうち、セミリタイアしちゃいました。が!現在はフリーランスとして、セミリタイアとは言えないほど、働いちゃってます。旧タイトルは「管理職やめたいです日記」

無職のおばさんが、人の役に立つ方法ー「大好きなあの人」が帰ってきた!

ゴミ置き場にゴミを持っていったら、懐かしい背中が見えた。

あっ!

ずっとお休みしてた、いつもの管理人さんが戻って来てる!

 

管理人さんは、丁寧な仕事と優しい人柄で、マンションの住人みんなから好かれています。

いや、マンションの住民だけじゃないかも。

近隣の方が、管理人さんに、笑顔でお菓子をお裾分けしてるのを見たことがあるもの。

 

そんな、地域のみんなに愛されてる管理人さんは、少し前に、体調を崩された。

私は、たまたまその場に居合わせたので、ずっと心配していました。

もう会えないと思っていたのに、こうして戻ってきてくれて嬉しい!

 

そして、管理人さんから、闘病の話を聞いているうちに思った。

無職のおばさんでも、声をかけること、人の話を聞くことで、人さまのお役に立てる

かも・・・って。

 

 

管理人さんが、住民みんなに好かれる理由

管理人さんが、このマンションの担当になったのは、もう10年以上前のことです。

担当が変わってすぐに、違いが分かりました。

 

だって、ロビーのガラスがピカピカ!

植栽がキリッとしてる!

ゴミ置き場が整理整頓されてて、ぜんぜんにおわない!

 

前任の方が、ダメだったわけじゃないんです。

この管理人さんがお掃除すると、なんかワンランク上の仕上がりになる感じ。

 

マンション管理のスキルだけじゃない。

なぜだか分からないけど、管理人さんと話すと、なんだか温かい気持ちになります。

通勤していた頃、朝に管理人さんと挨拶できると、笑顔で一日をスタートできたものでした。

 

昔、「ハケンの品格」というドラマがありましたよね。

篠原涼子さんが演じてた「スーパー派遣さん」のように、

この管理人さんは、「スーパー管理人さん」です。

 

ご高齢だけど、ずっとこの管理人さんが担当してくれればいいなぁ、そう思ってました。

 

管理人さんが、真っ青な顔で座りこんでいた日

ところが、半年ほど前でしょうか、

出勤しようとしたら、管理人さんが、マンションのロビーに座ってました。

そんなことは、今まで、一度もなかった。

おかしい、と思って近づいてみると、顔が真っ青です。

 

「どうされました?」と声をかけると、「なんか気分が悪くて」と、辛そう。

「ええっ!今すぐ帰ってください。それとも救急車を呼びましょうか?

ご家族に連絡しましょうか?」と聞くと、

「いや、仕事が残ってるから・・・」とおっしゃる。

 

いや仕事より体が大切ですから、いや大丈夫だから、と少々押し問答した後、

管理人さんは、持ち場に歩いて行かれました。

 

そこでまず、管理会社に電話して、代わりの方を派遣してくれるように伝えた。

念のため、「管理人さんは、住民にいっさい迷惑はかけてない。

この件で、管理人さんに、不利益が及ぶことはないようにお願いします。」とも、

付け加えた。

世知辛い世の中なので、一応ね。

 

その後、管理人さんを手伝おうと、軍手とゴム手袋を持って、ロビーに戻ると、

管理人さんが見当たらない・・・。

どこかで倒れていたらどうしよう、と敷地を一周したけど、それでも見つからない。

 

そのかわり、同じフロアの住民のおじさまを見つけました。

この方は、ガチリタイア勢、いつも供用部でまったりしてます。

事情を話して、管理人さんが倒れてたりしないか、目を配ってもらうよう、お願いし、

私は、心配に後ろ髪を引かれつつ、仕事に向かいました。

 

スーパー管理人さんが戻ってきた!

その日以来、管理人は別の方に変わりました。

次の方も、よくやってくださってたけど、

やっぱり、「スーパー管理人さん」とは、仕上りが違う・・・。

 

次の方は「臨時の担当」と聞いていました(リタイアおじさま情報)。

それなのに、何ヶ月経っても、「スーパー管理人さん」は戻ってこない。

 

管理人さんはどうしてるかな?

体調は良くなったかな?

これを機に、引退したのなら、今後は奥さまとのんびりしてほしいな。

 

・・・そう諦めていたのに!

「スーパー管理人さん」が、うちマンションに戻ってきてくれたのでした。

 

「お帰りなさい!体調はもうよろしいんですか?」と話しかけると、

「いろいろご迷惑をおかけしました」と、前と変わらぬ笑顔。

でも、少し痩せたかな。

 

無職のおばさんでも、人の役に立てることはある

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管理人さんは、夢中で話してくれました。

なんと、3箇所もガンが見つかり、手術したんだそうです。

 

薬を何錠も飲んだことや、奥さまもの病気も同時に見つかったなどなど、

休んでいた時のお話を聞きながら、思った。

私みたいな、無職のおばさんでも、人さまのお役に立てることはあるかも、って。

 

それは、「声をかけることと、話しを聞くこと」

ただそれだけなんだけど、

それこそが、「おばさんならではの貢献」じゃないだろうか?

 

確かに、おばさんは、というか私は、平気で人に声をかけます。

しかしこんな私でも、若かった頃は、もっと人みしりでした。

もし私がまだ若く、気弱な頃だったら、管理人さんが座っているのを見ても、

声をかける勇気が出なかったかも。

「休んでいるのかな」「仕事に遅刻しちゃうしな」などと、自分に言い聞かせて。

 

管理会社に電話かけて、交代を要請する、なんてことも、

若い頃にはできなかっただろうな。

そのせいで、管理人さんの帰宅が遅くなったかもしれない。

人助けする時は、ちょっと厚かましいくらいでいいのかも。

 

管理人さんが復帰した時も、きっと同じです。

戻ってきてくれてうれしい、と、内心思っていても、

若い頃だったら、恥ずかしくて話しかけられず、無言で通りすぎたかも。

 

病気の時って、人に話を聞いてほしくなったりしませんか?

勝手な思い込みかもしれないけど、

お休み中のことを話してる管理人さんは、ちょっと嬉しそうに見えたんです。

 

もし本当に、喜んでもらえたのなら、「おかえりなさい」って声をかけてよかった、

無職で時間があって、好きなだけ、闘病の苦労話が聞けてよかった、と、

勝手に思ってます。

 

この記事を書いたのは、誰かに病気の話を聞いてほしかったからだと思う。

駅で倒れて救急車ーこれは病気?それとも更年期障害?

 

「ずっと働く」という幸せ

管理人さんは、最後にこうおっしゃっいました。

「これからまたよろしくお願いします。いつまで続けられるか、分かんないけども。

その表情は、「高齢だけど、お金のために仕方なく仕事してます」って顔には、見えなかった。

 

仕事が嫌で、健康なのに、無職になった私にとって、

「体が動く限り働く」と言い切れる管理人さんが、なんだか、まぶしかったです。

 

まぁ、退職したばかりの私が、例によって、

過剰なセンチメンタリズムを発揮してるだけかもしれないけどね。

 

FIREや、セミリタイアして悠々自適、というのも、一つの幸せの形。

けれども、「ずっと働く」という生き方もまた、すごく素敵だな、と思ったのでした。

管理人さん、これからも無理をせず、末長くよろしくお願いします。

 

●「話を聞いてほしい!」と言えば、こちらの記事を思い出します●

yamekanri.com

 

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