東京には冷たい風が吹き、紅葉した落ち葉が舞っています。
桜って秋も美しいですね、葉っぱが赤く染まって。
だけど掃除は大変だ(管理人さん、いつもありがとうございます)。
あまりに寒いので、近所の食堂で温まるものを食べることにしました。
そこは同世代のおかみさんが一人でやっている小さなお店。
お酒が飲めなくても歓迎されるし、お客さん同士もほどよい距離で交流する、居心地のよいところです。
コロナ前は頻繁に通っていたけど、休業や時短の時期に足が遠のいていました。
店内で飲食するのは久しぶりです。
"本日の定食"を聞くとおでんだそうで、今週のお題「あったか~い」にふさわしい。
出汁の染みた大根であたたまりながら、例によって自己開示し始めました。
「管理職辞めたくてさぁ、この歳でまた転職考えてるんだぁ」と。
他のお客さんも「おお、それは辞めた方がいいんじゃない」と、相槌をうちながら聞いてくれます。
ああ、勤務先も何も知らない他人どうしだからこその心理的安全性。
快適。貴重な居場所。
コロナの影響で大変だろうけど、ずっと続いてほしいお店です。
しかし私のぼやきがおさまったところで、おかみさんが笑顔でこんなこう呟きました。
「実は私もやめることにしたんですよ、お店。」
ええっーショック!
このあたたかい場所がなくなってしまうの!?
家族がおらず、お酒も飲めない私は、これからどこに行けばいいの!?
やっぱりコロナで売り上げが厳しいから!?
聞けばコロナの影響は、経済的なものだけでなく、存在意義にまで及んだそう。
休業時、「飲食店は不要では?」と思ってしまい、思い切って故郷に帰ることにした、と話してくれました。
店中で「不要なんてとんでもない!ここは無くてはならない場所だよ」と、
お客全員で反論しましたが、少し分かる気もします。
社会全体が「飲食店に行くな」となれば、不要かも?という気持ちになりますよね。
なにより私自身、足が遠のいていたもんなぁ・・(ごめんなさい)。
おかみさんは「コロナで強制的に立ち止まったからこそ、それまで流していたことを深く考えた」と言っていました。
・・・考えてみれば、私が管理職辞めたくなったことにもコロナの影響があるよね。
コロナがなければ、不満を抱きつつ定年まで流されたかもしれない。
それはそれで、不幸だったかもしれない。
お店は居抜きで、初めて独立する若い人に引き継がれるそう。
コロナが若い人が挑戦のきっかけになったんだね。
そこがまた私たちの「あったか〜い」居場所になるといいな。
コロナでも日々は続く。